標本庫
標本庫
名古屋市立大学 システム自然科学研究科 標本庫
The Specimen Depository of the Graduate School of Natural Sciences, Nagoya City University (SDNCU)
私たちの研究科では、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)が2010年10月に名古屋で開催されたのを機に、生物多様性研究センターを設立しました。生物多様性の研究においては、多様な種に関する標本を収集し、分析し、保管するというプロセスが欠かせません。日本国内には国立科学博物館を始めとして立派な博物館が多々あります。しかし、どの博物館も予算・人手・スペースの不足に悩まされ、どのような標本も無制限に預け入れられ、かつその保管方法まで自由にリクエストできるというような状況にはありません。
そこで当研究科では、生物多様性研究センターの活動をサポートする組織として、標本庫を設置しました。当研究科の構成員が関わる研究教育活動から派生した標本類を維持管理するミニ博物館的な役割が想定されています。その特徴としては、当面遺伝子研究を強く意識した保存方法が採られていることで、大半の標本はホルマリン標本ではなく、冷凍標本かアルコール標本の形で保管がなされています。
2010年4月に設立されてから日が浅く、まだそれほど多くの標本がある訳ではありませんが、動物では爬虫類、貝類、昆虫類などが、植物では東海地方の野生植物や東山植物園から提供を受けたサンプルなどが集まってきています。それらの標本の多くは、分子系統や分子進化の研究に使われており、とりわけDNA Barcode情報を取得することに力を入れています。一部の標本は、学術論文などで証拠標本として使われ、標本庫の登録番号付きで公表されたものに該当します。正式に標本庫に寄贈され登録番号が付けられている標本は、外部からの照会に対して、技術的に可能な限り開示していく方針です。登録標本のリストはまだ完成していませんが、将来的に作成し公開する予定です。
2012年4月現在の標本庫のスタッフは、熊澤慶伯(標本庫管理責任者)と森山昭彦(標本庫管理者)の2名です。両名とも兼任であり、現在のところ専任スタッフはまだいません。明確な区分はありませんが、熊澤が主に動物標本を、森山が主に植物標本を担当しています。
当標本庫の標本や活動内容に御質問・御意見をお持ちの方は、以下の連絡先に電子メール等で御照会下さいますと幸いです。
熊澤慶伯:kuma[@]nsc.nagoya-cu.ac.jp
森山昭彦:moriyama[@]nsc.nagoya-cu.ac.jp
標本庫の収蔵標本リストへのリンクはこちら(動物標本、植物標本)工事中!
標本庫で扱う標本の一部を以下に紹介します。
メラーカメレオン(冷凍標本)
東山植物園の植物標本(冷凍標本)
ゾウムシのアルコール標本(冷蔵標本)
貝類標本(軟体部を冷凍保存、貝殻を常温保存)