講師 : 田中 豪 システム自然科学研究科 講師
日時 : 2011年11月26日(土曜日) 14:00〜15:30
会場 : 名古屋市立大学 滝子(山の畑)キャンパス
4号館3階大講義室
はじめに
11月26日(土)の14時から15時30分まで、滝子キャンパス4号館大講義室で平成23年度の市民公開講座「福祉に活かす画像処理」を開催しました。
公開講座には、一般市民・学生の方合わせて12名にご参加いただきました。
(講演の様子)
概要
ヒトの視覚はさまざまな色を感じることができます。
ヒトの網膜には3種類の錐体(すいたい)細胞があり、それらが光刺激に反応することで色を感じています。
赤錐体・緑錐体・青錐体がその三つですが、これらのうちどれか一つ以上を欠いている場合、特定の組み合わせの色(混同色)を識別しにくいことがあります。
そのような色覚特性をもつ人には、色の違いにより表現された情報がうまく伝わらないことがあります。
例えば、ホームページ上で背景の色と文字の色が混同色であった場合、文章が読みづらいといったことが起こります。
そのような場合に、色修正をすることで見えやすさを改善する画像処理技術についてお話をしました。
まず、ディジタル画像処理に必要な基礎事項や色の見え方・表現方法をご紹介しました。
また、さまざまな色覚についてもお話し、特に、P型色覚(赤錐体を欠く場合)とD型色覚(緑錐体を欠く場合)の見え方を模擬するメガネを体験していただきました。
(色弱模擬フィルタ「バリアントール」)
その後、P型色覚やD型色覚でも色の違いを見分けやすくするための画像処理についてお話しました。
混同色について色の明るさや色みを変更することで、見分けやすくすることができます。
以下に色修正の例を示します。
上段左が元々の画像ですが、これはD型色覚では上段右のように見え、「5」が読み取りにくくなっています。
中段左は原画像における混同色の明るさを変えたもので、D型色覚(中段右)でも明るさの違いによって「5」が識別できます。
下段左は緑色の「5」を青色に変更することで、D型色覚(下段右)でも色みの違いを識別できるようにしたものです。
(色変換の例)
最後に
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
また、テキストの準備や会場準備等で事務の皆様に大変お世話になりました。この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
(文責 田中 豪)
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