開催報告(第37回)

リチウムイオン電池って何かな?

講師 : 藤田 美保
日時 : 2009年9月18日
会場 : 7th Cafe (中区栄・ナディアパーク7階)

最近は世間でも環境問題に関する関心が高く、自動車ではハイブリッドカーが好評である。それに加えてゼロエミッション(有害廃棄物無排出)の電気自動車も市販されるという世の中になった。このような時期にタイミングよく、今回のサイエンスカフェは、これからのハイブリッドカーおよび電気自動車に使われると予測されているリチウムイオン二次電池を中心とした話であった。

充電可能なニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、リチウムイオン二次電池など二次電池の種類の説明に始まり、電池の生産量や市場の推移などの経済的な側面にまで話が広がった。携帯電話、パソコンなど小型機器の用途に加えて、電池自動車用に大型二次電池の大量需要が見込まれるという。

それに続いて化学電池の構造と、電池がどのような性能により評価されているかの説明があった。起電力という基本性能はもちろんであるが、使われる金属(あるいは化合物)の重さあたりの発電量が重要であるということや、いかに短時間に充電できるかということは、言われてみると当たり前であるが少し意外であった。

ひとしきり、二次電池の構造についての説明があり休憩となった。が、休憩時間中も質問が絶えることなく続き、話題提供者には全く休みがなかったようである。

後半はリチウム金属そのものについて少し難しい話があり、三菱の電気自動車、i-MiEVのバッテリー(リチウムイオン電池)を例にとり、ハイブリッド車との性能比較、ビデオカメラの電池との比較、ガソリンエンジン車との熱効率、将来の改良の見通しなどがわかり易く説明された。最後は、電気自動車用次世代電池として、理論上、電気をより大量に蓄えることができる「金属空気電池」という二次電池の可能性に言及され、夢の広がる話で終わりとなった。

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