開催報告(第58回)

液晶で遊ぶ、液晶を学ぶ
〜親子実験科学教室〜

講師 : 片山 詔久
日時 : 2011年9月23日
会場 : 7th Cafe (中区栄・ナディアパーク7階)


第58回サイエンスカフェは、9月23日(金)中区栄の7th Cafeにて開催されました。この日は、祝日であることを利用して、開催時刻をいつもよりも1時間早め、親子参加型の実験教室を兼ねたサイエンスカフェの試みとして、システム自然科学研究科准教授 片山詔久氏による話題提供が行われました。氏は、これまでに夏休みなどに親子実験教室を開催してきており、今回のサイエンスカフェは、今年の夏休みに行なった実験教室の集大成を兼ねるものでありました。





まず始めに、「タイトルである『液晶で遊ぶ、液晶を学ぶ』のとおり、今日は実験を楽しんでしっかり学んでください」とのお話があり、つぎに「液晶テレビの中にどのくらいの量の液晶物質が使われているか」というクイズが出されました。夏休みに参加した方は既に知っているようでしたが、その意外な答えには驚きです。さらに、夏休みでも毎回好評だったという「液晶TVをとかす」実験が参加者の手で行われ、子供たちは席を立って近くに集まっていました。

続いて、液晶テレビの仕組みの解説があり、その中で重要な光の性質のひとつである「偏光」について、実験を交えて学びました。例えば、配布された偏光板を使って携帯などの液晶画面を見ると、液晶表示素子がこの光の性質をうまく使っていることが分かりました。さらに、「虹」を正しく描いて見ようというテストがあったり、カラー液晶テレビの原理での基礎であるという「光の三原色」について、説明やパソコンの顕微鏡を使って液晶画面を観察する実験があり、カラー液晶がどのように出来ているか解りました。この試みは、かなり面白かったです。

さらに、はじめの受付の時に茶色い「絵の具」で黒いカードにお絵描きをしたものを、観察する実験がありました。描いている時は何の実験かわからなかなったのですが、これを手で温めると、描いた絵がカラフルに浮かび上がってきて、きれいでした。他のみんなも、ちょっとした歓声をあげました。この自分の作品は、持ち帰っても良いということで、家でも何度も楽しみました。

後半では、液晶研究の歴史を知ると科学研究に対する「格言」や取り組み方を見習うところがあるというお話や、科学実験をしたあとはレポートにまとめることが大切であるというお話があり、レポートを書くときの注意とコツが説明されました。

最後に、夏休みの活動の様子やこれまでのサイエンスカフェのアンケート結果などが紹介され、これからのサイエンスカフェの展望のようなお話があり、会場の子供たちをはじめいくつかの質問の手が上がり、話題提供者と参加者が身近にサイエンスを語ることができた楽しい時間でした。


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