講師 : 嶋田 誠(藤田保健衛生大学講師 / 専門:進化遺伝学・ゲノム情報学)
日時 : 2014年7月18日
会場 : 7th Cafe (中区栄・ナディアパーク7階)
一般に「進化」という言葉は、優れた段階へ進むことを指す言葉として使われることが多いと思います。
今回のサイエンスカフェでは、生物進化が社会的風潮や政治思想に影響を与えやすい側面を持っている事から話をはじめ、全体を通じて、必ずしも進化は一つの優秀な型が選ばれていくしくみではなく、多様性がある状態を作り維持していく面があることを、いろいろな事例を交えながら紹介しました。
とくに、人類の多様性に関する最新の研究成果と、それを充分に理解いただくために必要な生物進化学の基本的な考え方や方法論を、図を使って解説しました。
我々現代の人類の中には、ネアンデルタール人との違いを包含するほどの、大きな遺伝的多様性があることに思いをはせる機会となったのではないでしょうか。
今回様々な背景の方々に御集りいただきましたが、進化学者と同じように主体的に問いかけをもって参加していただけました。
また、市民へ開かれた大学を実践すべく、ご準備いただいた名古屋市立大学の方々には感銘を受けました。話題提供者にとっても、断片的な知識を繋ぎ合わせたり、バラバラに進めている研究課題を統一的に見直したりする、楽しいひと時でした。