開催報告(第115回)

ズーノーシスって何だろう?
〜ヒトと動物のウイルス感染症について知ろう〜

講師 : 鈴木 由紀 氏(日本大学生物資源学部・助教 / 専門:ウイルス学)
日時 : 2016年11月18日
会場 : 7th Cafe (中区栄・ナディアパーク7階)


 昨今、世界各地で新興・再興感染症が発生し、ニュースとして取り上げられることが増えてきました。その感染症の多くは動物が持つ病原体がヒトに感染する「ズーノーシス(人獣共通感染症)」が原因であることが多く、さらに、ウイルスが病原体として問題を起すケースが数多く発生しています。

 本日の講演でズーノーシスの問題を取り上げるにあたり、まず最初に、なぜウイルスが病気を起こすのか、その原因をウイルスの生態からお話しさせていただきました。そして次になぜ新興・再興感染症としてズーノーシスが発生するのか、その原因を知るために過去の歴史を振り返り、食文化を含む人類活動と野生動物の接触がズーノーシスの原因になってきた事例を紹介し、さらに、ウイルス側の要因もズーノーシスの発生に関係することをお話しさせていただきました。そして最後にこれらの問題を踏まえた上で、どのようにズーノーシス対策を行えば良いのか、ズーノーシス対策の現場で活躍する獣医師の仕事や、個人で日頃から行うことができる感染症の予防方法について紹介させていただきました。

 本日の講演にお集りいただきました皆様には熱心にお話を聞いていただき、またウイルスに関するご質問も多くいただきまして有り難うございました。講演準備にあたり私も勉強することができましたし、講演では皆様と楽しい時間を共有させていただく事が出来ました。

 最初に「ズーノーシスという言葉をご存知ですか?」と質問したときにはご存知ない方もいらっしゃいましたが、本講演を通じてズーノーシスに関する知識を深めていただき、人と動物が健康に過ごせる関係を築いていただけましたら嬉しく思います。


鈴木 由紀(日本大学生物資源学部)

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