開催報告(授業からわかる先端科学)

名古屋市立大学 x 名古屋市科学館
サイエンスパートナーシップイベント
「サイエンスカフェ in 名古屋」@名古屋市科学館

授業からわかる先端科学
〜学校で学ぶ理科や数学が世界につながる〜


日時 : 2016年12月10日(土)
会場 : Nagoya KEY's CAFÉ 名古屋市科学館店


 名古屋市立大学と名古屋市科学館のサイエンスパートナーシップ締結イベントとして「サイエンスカフェin名古屋」@名古屋市科学館を、Nagoya KEY’s CAFÉ名古屋市科学館店で開催いたしました。まずは、カフェならびに市科学館の方をはじめ、開催までの準備にご尽力いただいた方々に感謝申し上げます。また、たいへん多くの中高生を中心とした方々にお申込みいただき、寒い夕方にご参加いただきました。ありがとうございました。

 今回の話題提供のテーマは、「授業からわかる先端科学 ~学校で学ぶ理科や数学が世界につながる~」として、学校での授業を取り上げながら先端科学を紹介するとともに、勉強や生活で心掛けてほしい内容をお話しいたしました。この日(12/10)は、ノーベルの命日でノーベル賞授賞式でもありますので、まずはその話題から入りました。ただし、オートファジーの話題はいろいろなところで聞く機会があると思いますので、あえて物理学賞「トポロジー相転移」について紹介し、関連する話題とし教科書にも出てくる基礎である「物質の三態」について簡単に楽しめる実験を交えながらお話ししました。

 次に、ノーベル賞の陰に隠れてしまっている感じがあるものの、実はそれ以上にすごいことだと考えられる「ニホニウム」について紹介しました。流行語になったPPAPで紹介するつもりでしたが、参加いただいたみなさんが想定以上にまじめでしたのでやめておきました(笑)。さらに、私の研究テーマでもあり中高生にも身近に感じられる内容として、クモ糸・赤外線・液晶などの話題に触れながら、教科書からはじまる先端科学について話題提供しました。物理・化学・生物・数学など、学校の勉強がベースになって、現在の研究や開発が進められている様子をご理解いただけたかと思います。

 その後、学校の勉強は知識を覚えるだけでなく、考える力をつける訓練として重要だということを、「フェルミ推定」を用いて皆さんに考えてもらい、高校化学で出てくる「モル」の概念から「マイナスイオン」について一緒に検討してみました。さらに、正しい情報発信も大切であるということで、3Dグラフや統計の表現での誤解を紹介しました。

 90分間ということで到底それぞれに深入りすることはできず、広い分野の話題を浅くお話をしてまいりましたが、さらに自分でしっかり調べて理解していくというきっかけとして、今回のサイエンスカフェを利用していただければと考えております。終了後に「なんだか消化不良だな」という印象を持っていただいたのであれば、私の想定通りです。おそらく、今回参加いただいた皆さんは科学に対してかなり意欲的と見受けられましたので、その点は安心しております。また、今後もこのような活動をしてまいりますので、機会があれば次回もご参加ください。


片山 詔久(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科)

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