Last updated 2020-01-07
標本庫の概要
The Specimen Depository of the Graduate School of Science, Nagoya City University (SDNCU)
私たちの研究科では、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)が2010年10月に名古屋で開催されたのを機に、生物多様性研究センターを設立しました。生物多様性の研究においては、多様な種に関する標本を収集し、分析し、保管するというプロセスが欠かせません。日本国内には国立科学博物館を始めとして立派な博物館が多々あります。しかし、どの博物館も予算・人手・スペースの不足に悩まされ、どのような標本も無制限に預け入れられ、かつその保管方法まで自由にリクエストできるというような状況にはありません。
そこで当研究科では、生物多様性研究センターの活動をサポートする組織として、標本庫を設置しました。発足当初は、当研究科の構成員が関わる研究教育活動から派生した標本類を維持管理するミニ博物館的な役割が想定されました。ただ、スペースが許せば一般の皆様からの標本のご寄贈も受け付けますので、ご相談を頂けたら幸いです。私たちの標本庫の特徴としては、DNA研究を強く意識した保存方法が採られていることです。大半の標本はホルマリン標本ではなく、冷凍標本かアルコール液浸標本の形で保管がなされています。
私たちの標本庫の歴史は新しく、まだそれほど多くの標本がある訳ではありませんが、堅実に標本を収集保存してきた結果、2025年4月時点で動物標本が約6100点、植物標本が約300点登録保管されています。動物では爬虫類、貝類、昆虫類などが、植物では東海地方の野生植物や東山植物園から提供を受けたサンプルなどが集まってきています。それらの標本の多くは、分子系統や分子進化の研究に使われており、とりわけDNA Barcode情報を取得することに力を入れています。一部の標本は、学術論文などで証拠標本として使われ、標本庫の登録番号付きで公表されたものに該当します。正式に標本庫に寄贈され登録番号が付けられている標本は、外部からの照会に対して、技術的に可能な限り開示していく方針です。
2025年4月現在の標本庫のスタッフは、熊澤慶伯(標本庫管理責任者)と鈴木善幸(標本庫管理者)の2名です。両名とも兼任であり、現在のところ専任スタッフはいません。
最終更新日
2025.4.22
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