釣本_2 of 非コードDNA

九州大学　大学院理学研究院　生物科学部門
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非コード領域には、脆弱部位、組換えホットスポット、へテロクロマチン、テロメア、セントロメア等、通常の配列と違う特性を持つ領域があり、これらはしばしばDNA複製の進行に干渉する。染色体が安定に維持されるには、非コード配列でのDNA合成干渉において、それに応じたDNA合成モードの適応機構が必要と考える。したがって、進行中の複製フォークにおいても、常時、特異配列に起因する鋳型DNA情報を複製フォークの機能に反映する新規の機構の存在を予想できる。真核生物の複製フォークには、非必須な付加的複製因子が存在し、複製フォークの機能を切換え、DNA合成モードを適応させる役割を担うと考えられる。我々の研究グループでは、ヒトのDNAポリメラーゼ、クランプ、ローダー系を中心にして、複製と染色体接着の共役、S期DNA損傷チェックポイント応答などの複製フォークの機能適応のしくみについて研究を行っている。本研究領域では、ヒト細胞のヒト由来の脆弱配列や反復配列等の非コード配列からDNA合成に干渉する配列を抽出し、この配列での上記のヒト複製関連因子の挙動を解析する、それを基にして、非コード領域のDNA合成干渉配列での複製フォークの機能的適応のしくみを提示し、染色体の恒常性を維持する機構との関係を明らかにすることをめざしている。