丁_2 of 非コードDNA

独立行政法人情報通信研究機構
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減数分裂期前期における相同染色体の対合・組換えは生命の継承と繁栄、多様性を創出するにもっとも重要なプロセスで、その失敗が染色体分配の異常を引き起こし、子孫の絶滅をもたらす。しかし、相同組換えの分子メカニズムが詳細に解明されている一方、対合のプロセスについてまだほとんど不明で、特に相同染色体同士が如何にして相手を見つけて認識するのかは大きな謎である。多くの生物では明らかに相同組換え（DSB形成）を始まる前に相同染色体同士が綺麗に対になって並べることができることから、DSB非依存的な相同染色体認識・対合のメカニズムの存在が強く示唆されている。我々はこれまでの研究から分裂酵母において本領域研究の提唱するインターメアが相同染色体の対合に非常に重要であることを明らかにしてきた。まず、減数分裂期前期のテロメア集合が相同染色体を空間的に近づけるに必須であり、テロメアを先頭にする染色体の往復運動は染色体を同じ方向に配向し、近づけさせる。さらに、最近の研究で、分裂酵母第2染色体の非コードDNAであるsme2領域が対合のホットスポットであることを発見した。sme2遺伝子から転写される非コード RNAが減数分裂前期に染色体上に滞留し、RNAドットを形成することによって相同染色体の認識・対合を促進する。本研究はsme2非コードRNAによる対合の分子機構を解明するとともに、さらに多くの対合に寄与する機能的非コードDNA領域「インターメア」を同定し、相同染色体認識のメカニズムを明らかにしたい。