田中 of 非コードDNA

東北大学　加齢医学研究所
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非コードDNA領域（インターメア）であるセントロメアは、細胞分裂期における空間的機能単位として染色体分配に必須な役割を果たしています。その機能はキネトコアを介した微小管との相互作用によって行われますが、セントロメアはキネトコアが構築されるプラットフォームであるだけでなく、キネトコアと微小管の結合の調節に積極的に関与しています。染色体が分配される際には、微小管はセントロメアに対して垂直に位置します（ここではこれを垂直結合と呼びます）。この他にその前段階として、微小管がセントロメアに対して平行に位置する状態（平行結合と呼びます）が存在することが知られていますが、垂直結合と比較して体系的な研究は行われていません。最近この平行結合が、微小管と染色体が相互作用する際の一過性のものではなく、均等な染色体分配のための重要なステップである可能性が示唆されています。そこで本研究では、染色体分配の過程を微小管とセントロメアの位置関係の変化という新たな視点からとらえ、セントロメアによる染色体分配制御機構を再構築することを目指します。この目的のために、平行結合に関与する分子を同定し、平行結合の成立および垂直結合への移行のメカニズムを明らかにします。このメカニズムは効率的で正確な微小管と染色体の結合の成立に関係すると考えられ、非コードDNAによる染色体制御の重要な側面が明らかになるのではないかと考えています。またこのメカニズムの異常は、染色体の不均等な分配による染色体不安定性を通じてがん化と関連することが予想されるため、がんが発生するしくみの理解にもつながるのではないかと考えられます。本研究を通じて、当研究領域が目指すインターメアによる染色体制御の解明に、セントロメアによる空間的制御という側面から貢献したいと思います。