愛知サマーセミナー2008
@愛知淑徳高校
2008年7月21日(祝) 14:40〜16:20
[科学工芸]お茶で絵が出る特製カップ作り
片山 詔久
名古屋市立大学大学院 システム自然科学研究科
(専門:分子分光学)
参加者募集のちらし
「液晶」というとTVなどのディスプレイが思い浮かぶ方は多いでしょうが、それ以外にも「液晶」が活躍している場があります。そもそも「液晶」ってどんなものなのか、考えたことがありますでしょうか。本年度のサマセミでは「[科学工芸]お茶で絵が出る特製カップ作りす」というタイトルで、「液晶インク」を使ってカップにお絵かきしながら、表示素子以外の「液晶」を紹介しました。席数(=準備したカップの数)の定員は48名で、それ以降の方は立ち見になることをお断りしましたが、それでも約60名の方が聴講されました。作品を作れなかった方、申し訳ありませんでした。
まず、液晶のディスプレイ以外での応用例として、サーモテープとよばれる温度計を配布しながら、簡単に紹介しました。数字の色が変わって温度がわかるものから、手で触るとその部分が温まって色が変わるものを触ってみて、液晶の知られざる(?)用途を体験しました。つぎに、このような液晶(コレステリック液晶)をマイクロカプセルに閉じ込めた「カプセル液晶インク」を紹介し、各々のカップに試し書きをしました。
そしていよいよ本番。うまく書けた人も、思い通りにいかなかった人もいましたが、自分のアイディアでカップにお絵かきをしました。
乾くまでの間、液晶とはそのようなものなのかをお勉強しました。なお、アンケートに「写メで撮るときれいに映るのだが、何か理由がありそうだ」という意見がありました。素晴らしいところに気づいたと思います。説明に充分な時間がなく(またやや難解なので)端折ってしまいましたが、らせんピッチと光の反射を勉強していただくと、その理由がはっきりすると思います。ポイントはすなわち、反射光を見ているのだということです。
最後に、完成作品を防水シールで保護し、水とお湯を交互に入れて、色の変化を楽しみました。お湯ではなくドライヤーで温めるということに気がついた参加者もいらっしゃいました。また、当日は気温が高くてそのままの状態でも発色しているという、予備実験とは違う結果になり少しとまどいましたが、参加者の方々がご自身で工夫されたり、色の変化を楽しんでおられたようで、安心しました。なお、液晶プロジェクタが使えず、皆様に解説をうまく伝えることができず、ご迷惑をおかけしました。
アンケート結果(主なもの)
カップに絵を描くのは楽しかった。
ディスプレイ以外で液晶が使われているとは知らず、驚いた。
液晶は、個体のようでもあり液体のようでもあるというのが、すごく変だと思いました。
いろんな色があるとよかった。
カプセルの中に液晶を閉じ込めるなんてすごい。
写メで撮るときれいに映るのだが、何か理由がありそうだ。
Last Updated on Aug. 01, 2008
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