杉谷教授の論文が国際学術誌The Astrophysical Journalに掲載されました
研究分野 | 物質科学(宇宙物理学) |
掲載誌 | The Astrophysical Journal |
論文題目 | Large-scale Molecular Gas Distribution in the M17 Cloud Complex: Dense Gas Conditions of Massive Star Formation? |
著者 | Quang Nguyen-Luong, Fumitaka Nakamura, Koji Sugitani, Tomomi Shimoikura, Kazuhito Dobashi, Shinichi W. Kinoshita, Kee-Tae Kim, Hynwoo Kang, Patricio Sanhueza, Neal J. Evans II, and Glenn J. White |
所属機関 | McMaster University, 国立天文台, 名古屋市立大学, 大妻女子大学, 東京学芸大学, 東京大学, Korea Astronomy & Space Science Institute, The University of Texas at Austin, The Open University |
概要 | 大質量星が誕生しているM17-HII巨大分子雲およびM17-HIIの約2倍の総質量を持ちながら大質量星がまだ誕生していないM17-IRDC巨大分子雲を、野辺山45m電波望遠鏡を用いてCO(J=1-0)と13CO(J=1-0)分子輝線で観測を行なった。その結果、M17-HIIの分子雲クランプは柱密度が高いものが多く、重力的にも束縛されているものが多いことが示された(約27%クランプは理論的に示唆されている大質量星形成の閾値以上の柱密度を持つ)。一方、M17-IRDCでは、大質量形成の閾値を超える柱密度を持つクランプはわずか0.5%以下であることが示された。このことは大質量星の誕生する条件としては分子雲の総質量ではなくクランプの(柱)密度の大きさが重要であることを示しており、M17-IRDCで大質量星がまだ誕生していないのはクランプの密度が十分に高くなっていないことが原因と考えられる。 |
掲載日 | 2020年3月4日 |
DOI | 10.3847/1538-4357/ab700a |
備考 |