理学研究科名誉教授の福本理先生が令和３年春の叙勲で瑞宝章を受章されました

理学研究科名誉教授の福本理先生が令和３年春の叙勲で瑞宝章を受章されました。おめでとうございます。

福本先生のご専門は無脊椎動物発生学であり、特にホヤ、シャミセンガイ、ナメクジウオなど系統学的に面白い動物の精子形成、先体形成、先体反応、受精の機構を研究テーマとされています。以前は先体胞を持たないと思われていたホヤの精子に先体胞が存在し(1983年)、受精に際しては先体反応類似の変化を起こすことを発見されました(1990年)。またホヤにおける多精受精卵の作り方を開発し、世界にさきがけて電子顕微鏡による受精過程の研究(1995年)を行われるなど、ホヤ類精子の微細構造と受精機構の研究において大きな貢献をされました。

教育面では大学院システム自然科学研究科（2020年に大学院理学研究科に改称）において共通基礎科目「生体機能論」、専門科目「発生形態論」を担当されて大学院生の教育に尽力され、自らの指導学生に対して熱心に研究指導にあたられました。教養教育においても長年にわたって医学部・薬学部学生の細胞生物学、発生生物学および自然科学実験を担当され、またテーマ科目や文化系学生に対する教養科目も担当されましたが、熱のこもった講義は学生の評判もきわめて高く多大な教育効果がもたらされました。