愛知サマーセミナー2008
@愛知淑徳高校
2008年7月21日(祝) 12:30〜14:10
液晶TVを壊す
片山 詔久
名古屋市立大学大学院 システム自然科学研究科
(専門:分子分光学)
参加者募集のちらし
「液晶」という言葉は一般に広くつかわれるようになりましたが、液晶ってどんなものなのか、考えたことがある人は少ないと思います。本年度のサマセミでは「液晶TVを壊す」というタイトルで、液晶とは何かということを、学校ではめったにやらない(やれない)実験を交えて講義しました。実験できる定員は48名で、それ以降の方は立ち見になることをお断りしましたが、それでも合計80名の方が聴講されました。実験できなかった方、申し訳ありませんでした。また、「TVを分解するわけではない」ことを事前にアナウンスしましたが、そう思って会場に来た方も多かったようです。お詫びします。でも、アンケートに「想像と違ったがむしろ面白かった」と書いていただいた方が、多く見られました。ありがとうございました。
まず、理科で習った「固体」「液体」「気体」と同じように、「液晶」という言葉は状態を表すものであるというお話をし、液晶ではないが「固体」の一種である「ガラス」について、エタノールと液体窒素を使って、実験しました。
その後、温度で状態が変化するなら液晶だって...ということで、液晶ディスプレイをドライヤーで温めました(注意:真似しないでください)。ある意味、この講座のメインイベントで、携帯カメラを片手にみんな集まってきました。「今の中高生って、すぐに写メなんだぇ...」と、新鮮に驚きました(笑)。
つぎに、液晶パネルの中で重要な働きをしている偏光子について、不思議な実験をしながら簡単に解説し、液晶パネル作成のなかで最もローテク部分といわれている「ラビング」を体験しました。時間が限られているのと小中学生も多かったので、偏光子の詳細な解説や光に関する実験は省略しましたが、興味がある方はいろいろ試してみて驚いていました。また、アンケートを拝見すると、自分で作った液晶TV「もどき」に、かなり感心していただいたようです。
最後に、ディスプレイ以外の液晶の応用例をいくつか紹介し、愛地球博でのモリゾーゴンドラで使われた調光ガラスや液晶温度計などの話を実物を見せながら紹介しました。液晶プロジェクタが使えなかったり、いろいろハプニングはありましたけれど、多くの参加者の方々から、満足したというアンケートをいただいて、ホッとしています。一方、いろいろ不手際などをご指摘いただきました。ご意見、ありがとうございました。
アンケート結果(主なもの)
液晶のとこを気にかけたことなどなく、とても良い経験になった。
液晶の原理を聞けてよかった。
液晶の値段に驚いた。
叩いて壊すのかと思った。でも、実験したり仕組みを聞けて、楽しかった。
ドライヤーでこんなことができるとは。驚きです。
液晶に熱をかけて液体にする実験が不思議だった。
液体窒素を使った実験が面白かった。
液晶作りは、手軽で面白かった。
説明がわかりにくかった。プリントを分けてほしい。スライドをWebに載せてほしい。
人数制限すべき。立ち見がいて、ごちゃごちゃしていた。
立ち見だったので、実験できなくて残念だった。
Last Updated on Aug. 01, 2008
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