カラープルーフにおけるモアレ
ネットワーク技術の発達によって、遠隔地においてカラー印刷を
行なうことが実現しています。そのためには、カラープルーフ(色校正)
を送ることなしに正しく色を印刷する必要があります。次の図は、その
様子を示しています。製版された網点データが印刷工場へ送られ、その
データを基に、印刷側でカラープルーフを作成して、印刷機の調整を行ない
ます。
このカラープルーフの作成に、色管理されたインクジェットプリンタ
などが使われますが、プリンタの解像度が印刷機のものと異なる場合、
モアレが生ずることになります。これを解消するために、網点画像から
元の連続調画像を復元する研究などが行なわれていますが、そのためには
網点化の際のパラメータ(角度や線数)を知っている必要があります。
また、1ページの中にパラメータが異なる画像が集版されている場合、
対処は困難でした。次の図は、原画(左)を異なる解像度に変換する事
によってモアレが生じた画像(右)を示しています。
重力的再配置法によるモアレ除去
このモアレは、網点画像を拡大・縮小により再サンプルする際に、
周期的に網点%値が保たれない位置が生ずることのために起こっています。
本研究では“重力的再配置法”を開発し、拡大・縮小された濃淡画像の
網点%値を保ったまま二値化する事により、次図のようにモアレのない
カラープルーフの作成を実現しました。