カラープルーフにおけるモアレ


 ネットワーク技術の発達によって、遠隔地においてカラー印刷を 行なうことが実現しています。そのためには、カラープルーフ(色校正) を送ることなしに正しく色を印刷する必要があります。次の図は、その 様子を示しています。製版された網点データが印刷工場へ送られ、その データを基に、印刷側でカラープルーフを作成して、印刷機の調整を行ない ます。
fig.1
 このカラープルーフの作成に、色管理されたインクジェットプリンタ などが使われますが、プリンタの解像度が印刷機のものと異なる場合、 モアレが生ずることになります。これを解消するために、網点画像から 元の連続調画像を復元する研究などが行なわれていますが、そのためには 網点化の際のパラメータ(角度や線数)を知っている必要があります。 また、1ページの中にパラメータが異なる画像が集版されている場合、 対処は困難でした。次の図は、原画(左)を異なる解像度に変換する事 によってモアレが生じた画像(右)を示しています。
fig.2a fig.2b

重力的再配置法によるモアレ除去


 このモアレは、網点画像を拡大・縮小により再サンプルする際に、 周期的に網点%値が保たれない位置が生ずることのために起こっています。
 本研究では“重力的再配置法”を開発し、拡大・縮小された濃淡画像の 網点%値を保ったまま二値化する事により、次図のようにモアレのない カラープルーフの作成を実現しました。
fig.2c