イラストレーション画像を対象とした色転写

 2枚のカラー画像を用意し,片方の画像の色合いをもう片方の画像に反映させる操作を色転写といいます. 元々はReinhardら(参考文献1)によって提案された概念で,CGに実画像の色合いを転写することなどが試みられていました.
 ここでは,イラストレーション画像の色転写に特化した手法(関連文献1)を紹介します. 原画像の印象を自然に保ちながら,参照画像の目立つ色合いを転写することを目的とした手法となっています. 図(c)が原画像であり,図(a),(b)が参照画像です. 色転写結果(図(d),(e))は,参照画像の色合いを反映しつつ,原画像の自然さも保っています. ここで,自然さとは,図(c)における肌の色が図(a)の紫や青緑に変化しないことなどを指しています.

violetZodiac_lycoris
(a) スミレ
(b) 彼岸花
ZodiacZodiac_violetZodiac_lycoris
(c) ミュシャ「黄道十二宮」
(d) 図(a)の色を転写
(e) 図(b)の色を転写

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【関連文献】

  1. 田中 豪,溝上菜見子,末竹規哲,内野英治,
    ``イラストレーション画像を対象とした色転写法の提案,''
    電子情報通信学会技術研究報告SIS2010-29,vol.110, no.189, pp.79-82, Sept. 2010.

【参考文献】

  1. E. Reinhard, M. Ashikhmin, B. Gooch, and P. Shirley,
    ``Color transfer between images,''
    IEEE Comput. Graph. Appl., pp.33-41, Sept./Oct. 2001.