最小全域木を用いたランダム値インパルス性雑音除去

 図(a)に,ランダム値インパルス性雑音が重畳した状況(図(b))を考えます. インパルス性雑音とは,図(b)に見られるように,ところどころに発生する雑音です. また,雑音はランダムな値をとると仮定した場合を「ランダム値インパルス性雑音」といいます.

parrots_originalparrots_input
(a) 原画像
(b) 雑音重畳画像

 よく知られたインパルス性雑音除去手法に参考文献1の手法があります. しかし,図(c)に示したように,参考文献1の手法では雑音は除去できますが,画像内の線構造(オウムの縞模様)も処理により崩れてしまっています. これは,線構造を雑音であると誤認識してしまうことが原因です. そこで,線構造を誤認識しない雑音除去手法(関連文献1)を提案しました. 図(d)がその処理結果です. この手法は,グラフ理論における最小全域木を用いたユニークな手法となっています.

parrots_SMFparrots_MST
(c) 参考文献1の手法
(d) 関連文献1の手法

「研究内容」へ戻る

【関連論文】

  1. Go Tanaka, Noriaki Suetake, and Eiji Uchino,
    ``Minimum spanning tree-based random-valued noise detection for switching median filter,''
    Optics Letters, vol.33, no.17, pp.1993-1995, Sept. 2008.

【参考文献】

  1. T. Sun and Y. Neuvo,
    ``Detail-preserving median based filters in image processing,''
    Pattern Recognit. Lett., vol.15, no.4, pp.341--347, April 1994.