ニュース of 非コードDNA

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「ゲノムを司るインターメア:非コードDNAの新たな展開」が出版されました

「ゲノムを司るインターメア:非コードDNAの新たな展開」が化学同人から出版されました。本領域のメンバーが中心となり最新の成果をわかりやすく解説した総説集です。遺伝子の制御から個体の進化まで、非コードDNA領域が持つ多様な機能を斬新な切り口で紹介しています。

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目次
1. ゲノムを支えるインターメアの機能 (小林 武彦)
2. インターメアの解析法 (加藤 由起)
3. ゲノム進化メカニズムと情報学的解析 (岩嵜 航、印南 秀樹) 
4. 非コードDNAと高次クロマチン構造  (中山 潤一)
5. インターメアを支えるDNAメチル化の分子基盤 (有吉 眞理子)      
6. インターメアのヌクレオソーム配置とその変換機構 (須賀 則之)
7. ゲノムを支えるインターメアの機能(1):セントロメア機能とサテライトDNA (大関 淳一郎、舛本 寛)
8. ゲノムを支えるインターメアの機能(2):テロメア機能とサブテロメア (加納 純子)
9. 転移因子が構成するインターメアとその機能 (梶川 正樹)
10. リボソームRNA 遺伝子のゲノム維持における役割(小林 武彦)
11. ゲノム脆弱部位の維持と機能(高田 穣)
12. 非コードDNA・インターメアを介したDNA 再編成 (太田 邦史)
13. 非コードDNA 領域のDNA 損傷応答 (菱田 卓)
14. バクテリアにおける非コードDNA 領域の機能 (仁木 宏典)
15. ヒトと類人猿に見られる非コードDNA の大きな違い (古賀 章彦)
16. インターメアと疾患:機能性をもつAlu 配列 (深尾 敏幸)

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小林代表が平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(研究部門)を受賞しました

受賞題目「細胞内の遺伝子増幅機構及びその生理作用の研究」

本賞は我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った個人又はグループに贈られる賞です。小林代表はゲノムの改変、特に遺伝子の増幅機構の研究に携わり、増幅遺伝子の代表格であるリボソームRNA遺伝子の増幅機構を解明しました。(H24.4.9.文科省発表)

平成24年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者の決定について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/04/1319413.htm

小林代表が第29回井上学術賞(2012年度)を受賞しました

受賞題目「遺伝子増幅の分子機構の全容解明と癌化や老化との関係性の発見」

本賞は自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績を挙げた50歳未満の研究者に対して与えられる賞です。2007年にはiPS細胞の山中伸弥教授が受賞しています。

<受賞研究の解説>
小林氏は、高度に反復したリボソームRNA遺伝子(rDNA)が如何にコピー数を安定に維持しているのか、単離した多数の変異株を用いて詳細に解析し、rDNA遺伝子増幅の分子機構の全容を解明しました。またリボソームRNA遺伝子の安定性やコピー数の変化が、細胞の老化速度や発ガン物質に対する感受性に影響を与えることを発見し「細胞老化のrDNA 仮説」を提唱するに至っています。
 遺伝子のコピー数の変化は一卵性双生児間でも多数起こっていることが近年のゲノム解析から明らかになってきています。今後、医学領域においても遺伝子増幅と老化・発ガンとの関係が解明されることが期待され、小林氏の発見はきわめて重要です。

井上科学振興財団
http://www.inoue-zaidan.or.jp/