論文が受理されました

先月のことですが,日本結晶成長学会の学会誌Journal of the Japanese Association for Crystal Growthに論文が受理されました。成長する結晶表面に吸着した不純物分子の挙動をモデル化し,どの程度の不純物が結晶に取り込まれるか(分配係数)を結晶化駆動力の関数として定式化しました。これまでにも,不純物が結晶表面に到達するまでのあいだにどのように選り分けられるのかについては検討されていましたが,結晶表面上での挙動に着目して定式化したのは本論文が(私の知る限り)初めてです。この定式化により,不純物の結晶表面への吸着,結晶表面上の拡散,ステップでの取り込みの各素過程が,不純物の取り込みにどのように影響を及ぼすのかを評価することが可能となります。分配係数の実験データから不純物分配に関する素過程を明らかにするひとつの指標を提供できるでしょう。