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大学院

2010年度 

生体機能論(博士課程前期1年生 共通科目 前期 火2、7時限)

生体は,細胞の分裂・成長・分化・老化などの諸過程を経て生活環を営んでいる。これらの過程で演じられる生体機能について、遺伝子機能の維持、継承から発現に至るメカニズム、RNAやタンパク質など細胞機能の制御、外部環境への応答など基本的なものを解説する。これによって、細胞から個体まで、複雑な仕組みでありながら統一した動きを実現し、外界とは切り離された自律系を形成しつつ,同時に外部の環境変化にも敏感に応答するという、生体のシステム化された機能の実態を理解することを目標とする。

現代生命科学から明らかとなってきた基本的な生体機能について概説する。遺伝子やゲノムといった概念の確立から、遺伝子機能発現の重要なコンセプトを学び、如何にして遺伝情報が生体機能に展開されるのか、その巧妙な分子メカニズムを理解する。重要な研究事例を基に論じることで、未知の生命現象に対する検証可能な問題設定、実験的なアプローチ、結果から得られる考察までに至る研究の論理性を理解してほしい。メンデルの見た世界から万能細胞など最近のトピックスまで、生命科学研究の潮流を紹介したい。

授業計画

1.生命科学研究の潮流:博物学から還元主義へ
2.メンデルの見た世界:遺伝子、ゲノムの概念
3.アベリーの爆弾宣言から二重らせんへ:遺伝子の実体としてのDNAとその物理化学的性質
4.遺伝情報の継承:ゲノムの継承とDNA複製フォーク
5.遺伝子の発現:セントラルドグマとアダプター仮説
6.遺伝暗号の解読:tRNAシステムと翻訳マシーン
7.遺伝子のスイッチ:オペロン説と転写制御
8.mRNA合成工場の主役たち:複雑で精密な転写装置
9.分断されたRNA:RNAプロセシングと転写後制御
10.タンパク質の社会:タンパク質のゆりかごから墓場まで
11.情報の整理と活用:ヒストンコードとクロマチンダイナミクス
12.ストレスとは?:生体の環境応答とDNA損傷修復
13.死と老化:細胞周期制御とがん
14.三毛猫の謎とは?:エピジェネティクスとncRNA機能
15.クローンと万能細胞:細胞の全能性と分化

安全講習会 2010.4.8

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