2025.06.16 [研究成果] もしもM87に第2のブラックホールが存在するとしたら? --NANOGrav低周波重力波観測が照らす新たな可能性--

楕円銀河M87の中心から噴き出すジェットには、約11年周期の歳差運動などの周期的な動きがあることVLBI観測から知られています.本研究では、これらの動きがM87中心の巨大ブラックホールのまわりを第2のブラックホールが公転していることに起因すると仮説を立て、その場合に想定される第2ブラックホールの質量を理論的に導き出しました.近年、NANOGrav(ナノグラブ)コラボレーションによる重力波観測により、巨大ブラックホール連星が放つ重力波が宇宙全体に広がる「背景重力波」として検出されている可能性が指摘されており、本研究チームはその理解を深めるためにM87に注目しています.今回の成果は、巨大ブラックホール連星の存在を直接検証するための今後の観測戦略にとって重要な指針となるものです.
より詳しい解説は以下のサイトをご覧ください.研究成果は、Kino et al. “Constraining the Mass of a Hypothetical Secondary Black Hole in M87 with the NANOGrav 15 yr Data Set” として、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に2025年6月5日掲載されました.(画像クレジット:Kino et al. 2025)
[ジャーナルサイト(英語)][国立天文台水沢webページ(日本語)]
2024.12.10 試しに

研究室のインスタグラムを始めてみました.写真のアップなどが楽なので今後は当面こちらでやってみます.まずは半年くらい続けることが目標...
2024.11.05 - 11.11 石垣島出張




石垣島にある電波望遠鏡VERA石垣島観測局に出張してきました.VERAは岩手・鹿児島・石垣・小笠原にある4つの電波望遠鏡で構成される日本のVLBIネットワークです.国立天文台や大阪公立大学などと協力してVERAに新たな電波受信機(86GHz帯)を開発・搭載するプロジェクトを進めています.今回は受信機開発をリードする大阪公立大学の大学院生さんと一緒に、石垣アンテナに関連装置を設置したり動作テストを行ってきました.本格運用までの道のりはまだ長いですが、少しずつ準備を進めています.石垣の星空は日本でも有数です.天気悪かったですが1日だけ晴れました.ライトアップされたアンテナとオリオン座、木星、プレアデス星団(すばる)などが一緒に撮れました.
2024.10.23 研究会

名古屋市科学館にて行われた研究会「プラネタリウムで俯瞰する多波長全天/広域サーベイ2024」に参加してきました.秦は「M87のEHTと多波長観測の現状と今後」という内容で招待講演させていただきました.配属されたばかりの丸山くん(現地)、ガクくん(オンライン)も参加してくれました.いきなり最前線の研究発表に触れて理解するのは大変だったと思いますが、他大学の同年代の学生さんもたくさん発表されていたので、良い刺激になってくれたらと思います.
2024.10.01 研究室配属

名市大に着任して記念すべき最初のメンバーが(いきなり3人も!)入ってくれました.研究室の文字が昭和感(手作り感)たっぷりでいいですね.皆さんこれからよろしくお願いします.
2024.08.24 野辺山一般公開日


国立天文台野辺山宇宙電波観測所の一般公開日に参加してきました.秦は応援スタッフとしてポスター発表やミニ講演会を担当しましたが、理学部の1年生3名も一緒に遊びに来てくれました.野辺山には口径45mというミリ波帯では世界最大級の電波望遠鏡があり、東アジアのVLBIネットワークにも参加しています.近くで見ると迫力満点です.途中雨が降る空模様でしたが、多くのお客さんが来場されていました.講演会も予想以上にたくさんの人に聞いていただいて、名古屋から来た甲斐がありました.今後も研究だけでなく学生の実習や見学で行けないかなあと思案中.