笹森 貴裕
笹森 貴裕
(ササモリ タカヒロ)
SASAMORI, Takahiro
居室 システム自然科学研究科 北棟 1 階
E-mail sasamori
◆ メールはハイパーリンクしてません
電話 052-872-5820
FAX 052-872-5820
URL http://www.nsc.nagoya-cu.ac.jp/~sasamori/www/  
[生年] 1975年
[所属] 自然情報系・教授
[略歴] 1997年 東京大学理学部化学科 卒業
1999年 東京大学大学院理学系研究科化学専攻 修士課程 修了
2002年 九州大学大学院理学研究科凝縮系科学専攻 博士後期課程 修了
2002年 京都大学化学研究所 研究員(科学研究)
2003年 京都大学化学研究所 助手
2006年 京都大学化学研究所 助教
2009年 京都大学化学研究所 准教授
2017年 名古屋市立大学大学院 システム自然科学研究科 教授
[学位] 博士(理学)(2002年、九州大学)
専門分野 有機化学、有機元素化学、有機金属化学
研究キーワード 典型元素、化学結合、分子科学、有機化学、構造化学、X線結晶構造解析、量子化学計算
担当科目 (大学院)物質情報学、物質科学、理学情報概論、自然情報学特講
(学部等)
最近の研究テーマ 様々な典型元素のそれぞれの特徴を活かした新規物質創製研究を行っています。

私たち生体を含め、身の回りの様々な物質の大半は有機化合物でできています。様々な有機化合物の性質や機能と分子構造と結合の性質に基づいて理解することができれば、社会の要望に応じた機能をもつ有機化合物を設計し、自在に合成することができるようになります。炭素や窒素だけではなく、あらゆる元素資源の有効活用を目指し、周期表全ての元素の基礎的な性質を調べることで、あらゆる元素を使いこなした分子設計、分子合成技術の確立、有機材料開発についての研究をしています。

有機化学の中心は、炭素化合物です。様々な官能基として他の第二周期典型元素(N, O, Fなど)が含まれる場合もあります。元素周期表を見ると、100個ほどの安定な元素が存在するにもかかわらず、一般的な有機化学のほとんどは第二周期元素から構成されています。
周期表では、「似た元素が縦に並んでいる」と言われますが、炭素とケイ素で、どの点が似ていて、どの点が異なるのでしょうか。
有機化学の教科書には、炭素と炭素の結合を作る反応は数多く書かれていますが、ケイ素とケイ素は同じ方法で結合をつくることができるでしょうか。
現在では、第二周期元素と、第三周期以降の元素では、性質がそれぞれかなり違うことが分かってきていますが、まだまだ、それぞれの元素の「個性」が明確になるほど明らかになってはいません。私たちの研究室では、特に第二周期元素と高周期元素の類似点・相違点を明確にすることで、それぞれの元素の特徴を明確にして、その上で、それぞれの元素の個性を活かした新しい分子をつくることを目指します。

・高周期14族元素低配位化合物の酸化還元挙動解明 かさ高いフェロセニル置換基を独自に開発して、通常では単離できないような高周期14族元素化合物(ケイ素やゲルマニウム、スズ)を合成して、その酸化・還元挙動を調べています。これにより、炭素化合物よりももっと簡単に電子を受け取ったり(還元される)、電子を渡したり(参加される)する物質を創り出そうとしています。
あるいは、酸化や還元で反応性がガラリと変わる、斬新な反応活性分子の創製も可能となると期待できます。

・高周期典型元素の特徴を活かした、有機化合物合成の「典型元素触媒」の開発 異なる炭素化合物同士を効率よくつなぐことのできる「クロスカップリング反応」は重要な反応で、ノーベル賞受賞対象にもなっています。しかし、このような特殊な反応には、常に遷移金属触媒が必要です。特に、とても効率の良い優れた触媒は、パラジウムやロジウムなど、とても稀少で地球上にほとんどない貴重な元素を使う必要があります。我々は、高周期典型元素の特徴を活用して、貴重な遷移金属を使わない、新しいクロスカップリング反応触媒の開発に取り組んでいます。ケイ素やアルミニウムなど、豊富にある元素を使って、新しい有用な有機化合物を合成できる触媒を開発することができれば、この先元素枯渇の心配がなくなり、元素資源問題を一気に解決できると考えています。
主な研究業績 Reaction of a Stable Digermyne with Acetylenes: Synthesis of a 1,2-Digermabenzene and a 1,4-Digermabarrelene, Chem. Soc. Jpn. 2016, 89, 1375-1384. [doi: 10.1246/bcsj.20160269]

Activation of Dihydrogen by Masked Doubly Bonded Aluminum Species, Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55, 12877-12880. [doi: 10.1002/anie.201606684]

Isolation and Ambident Reactivity of a Chlorogermylenoid, Chem. Eur. J. 2016, 22, 13784-13788. [doi: 10.1002/chem.201602601]

Reaction of a Diaryldigermyne with Ethylene, Chem. Sci. 2015, 6, 5526-5530. [doi: 10.1039/C5SC01266J]

Isolation and Structural Characterization of a Lewis Base-Free Monolithioferrocene, Organometallics 2014, 33, 6696-6699. [doi: 10.1021/om500898v]

教員からの一言 新しい機能、新しい性質を持つ新物質創製では、「新しい結合」を作らなくてはいけません。第二周期元素だけの有機化学から視野をうんと広げて、全元素を見据えた有機化学を一緒に始めましょう。全ての元素の性質を知り尽くす「元素博士」になって、あらゆる元素を使いこなして社会貢献できる「元素職人」を目指しましょう。
あたらしいことをやってみたい!あたらしいものを作りたい!という好奇心に溢れるみなさん、その好奇心を満足させる新しい化学を一緒に創りましょう。
学会活動 日本化学会、ケイ素化学協会、有機合成化学協会、近畿化学協会、高分子学会