| 研究分野 |
物質科学(天文学) |
| 掲載誌 |
Astrophysical Journal Letters |
| 論文題目 |
Magnetic Stability of Massive Star-forming Clumps in RCW 106 |
| 著者 |
Shohei Tamaoki, Koji Sugitani, Quang Nguyen-Luong, Fumitaka Nakamura, Takayoshi Kusune, Takahiro Nagayama, Makoto Watanabe, Shogo Nishiyama, and Motohide Tamura |
| 所属機関 |
名古屋市立大学, IBMカナダ, 国立天文台, 鹿児島大学, 岡山理科大学, 宮城教育大学, 東京大学, アストロバイオロジーセンター |
| 概要 |
分子雲の中で大質量星が誕生すると、その莫大なエネルギー放射により周囲の分子雲に大きな影響を及ぼすため、銀河(系)での星形成・星形成史に大変重要な天体と考えられている。しかしながら、大質量星の形成に関しては、太陽のような小質量星の形成に比べるとその形成機構は必ずしも明らかではない。特に、銀河に存在する星間磁場と大質量星形成の関係はほとんど調べられていない。そこで、代表的な大質量星の形成領域であるRCW106分子雲を南アフリカ天文台IRSF1.4m望遠鏡の近赤外線偏光撮像観測装置SIRPOLを用いて大規模に偏光撮像観測を行い、その磁場構造を調べた。また、分子雲の中で星が誕生する場所と考えられているクランプ(分子ガスの塊)の検出を行い、これらに対して磁場の強度、星形成の有無および星の光度(質量)を求めて、クランプの磁気的安定性を調べた。その結果、大質量星が誕生しているクランプは磁気的に不安定で潰れやすいが、中小質量星が誕生しているものは磁気的には安定で潰れにくいことを明らかにした。これにより、理論的な予想されている大質量星形成の小質量星形成との違いを観測的に初めて立証し、星間磁場が形成される星の質量と深く関わっていることを示した。 |
| 掲載日 |
2019年4月16日 |
| DOI |
10.3847/2041-8213/ab1346 |
| 備考 |
2019年3月に修士課程を卒業した玉置捷平の修士論文の内容を学術論文として公表したものです。 |