名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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Achievement
研究業績

雨夜教授の論文が国際学術誌 Bulletin of the Chemical Society of Japan に掲載されました

研究分野 物質科学(有機合成化学)
掲載誌 Bulletin of the Chemical Society of Japan
論文題目 Synthesis of Self-Doped Conductive Poly(3,4-ethylenedioxythiophene) (PEDOT) Bearing Phosphonic Acid Moieties
著者 Kahori Kiriyama, Masato Daijo, Keiho Tsuchiya, Tomohiro Hatai, Toshikazu Hirao*, Toru Amaya*
所属機関 名古屋市立大学、大阪大学、大八化学工業株式会社
概要 導電性高分子は、太陽電池・有機EL等の正孔輸送層、コンデンサ等に用いられ、今日のエレクトロニクスを支える重要な材料である。今後、普及が予想される電気自動車や益々の小型化・高性能化が求められる電子機器への応用のためにも、導電性高分子材料のさらなる性能向上や機能化が求められている。現在、最も使われている導電性高分子の1つとしてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(略称:PEDOT)にポリ(4-スチレンスルホン酸)をドープしたものが挙げられる。高い導電性と良好な水分散性が特徴である。一方、スルホン酸の強い酸性による基板の腐食や、水に完全に溶解しない点が課題となっている。これらの課題を解決するために、ドーパントとして穏和な酸であるホスホン酸を用い、水溶性にするためにホスホン酸を高分子主鎖に共有結合で導入した自己ドープ型導電性PEDOT(Phos-PEDOT、図)を設計した。本研究では、この自己ドープ型導電性高分子Phos-PEDOTの合成に取り組んだ。その結果、1.3 x 102 S/cmという高導電性を示し、トリメチルアミンとの塩とすることで水への高い溶解性を示すとともに弱塩基性水溶液として扱える自己ドープ型導電性Phos-PEDOTの合成に成功した。このPhos-PEDOT薄膜の吸収スペクトル測定から、導電性に強く関わるバイポーラロンの吸収が近赤外域にはっきりと見られた。今回開発したホスホン酸を有する自己ドープ型導電性高分子は導電性高分子材料として非常に有望である。
掲載日 2022.8.18
DOI doi/10.1246/bcsj.20220121
備考  

 

ホスホン酸を有する自己ドープ型導電性高分子Phos-PEDOT