雨夜教授の論文が国際学術誌 European Journal of Organic Chemistry に掲載されました
研究分野 | 物質科学(有機合成化学) |
掲載誌 | European Journal of Organic Chemistry |
論文題目 | Synthesis of an Octacyclic C60 Fragment |
著者 | Naruhiro Yoshida, Ryuhei Akasaka, Tomoya Imai, Michael P. Schramm, Yousuke Yamaoka, Toru Amaya, and Tetsuo Iwasawa |
所属機関 | 龍谷大学、名古屋市立大学、兵庫医科大学、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校 |
概要 | サッカーボール型分子フラーレンC60の部分構造を抜き出した分子群は、特徴的な共役系を持つことから材料科学分野で注目を集めている。フラーレンの構造は、五角形の周りを六角形が囲っている構造になっており、部分構造のパターンも五角形と六角形の配置パターンの組み合わせになる。しかしながらこれまで、C60部分構造分子は、コランヌレン、スマネン、トルキセンなど限られた報告例しかなかった。今回、これまで合成されたことのないMetelykeneと呼ばれる2個の五角形と6個の六角形からなる八環性C60フラグメントの合成を初めて達成した(図)。また、そのグラムスケール合成も実証し、誘導化にも成功した。さらに、分光学的性質、酸化還元特性、ならびに計算化学的手法よるHOMOやLUMOに関する知見も報告している。未踏C60フラグメント分子の合成を達成した本研究は、材料科学の新たなフロンティアを拓く研究として位置づけられる。 |
掲載日 | 2023.6.6 |
DOI | doi.org/10.1002/ejoc.202300407 |
備考 | ChemistryViewsで紹介(こちら)。国際共同研究。 |

八環性C60フラグメント分子MetelykeneとC60の構造式.