Tee, Ling Fei 博士(木村研・元博士後期課程大学院生)の論文が国際学術誌 Genetics に掲載されました
研究分野 | 生命科学(神経科学) |
掲載誌 | Genetics |
論文題目 | Electric shock causes a fleeing-like persistent behavioral response in the nematode Caenorhabditis elegans |
著者 | Ling Fei Tee, Jared J. Young, Keisuke Maruyama, Sota Kimura, Ryoga Suzuki, Yuto Endo, Koutarou D. Kimura |
所属機関 | 名古屋市立大学、米国ノースイースタン大学ミルズ校、大阪大学 |
概要 | 「感情」は私たちの生活の質に大きな影響を与えることから、脳研究の分野においても注目されています。であるにも関わらず、犬や猫など家庭用ペット以外の動物の感情は分かり辛いことから、長年研究が進んでいませんでした。しかし、10年ほど前から「感情は持続する」「感情には好き/嫌いがある」など基本的な性質が定義され始め、さまざまな動物に感情に類似した脳のはたらきがあると考えられるようになってきました。 本研究では、「脳」を持つ最もシンプルな動物種である線虫C. エレガンスにも感情に類似した脳のはたらきがあること、またこれに関わる幾つかの遺伝子を明らかにしました。さまざまな実験が容易な線虫を用いることで、感情に関わる神経細胞や遺伝子のはたらきが解明されることが期待できます。 |
掲載日 | 2023.8.18 |
DOI | 10.1093/genetics/iyad148 |
備考 | 海外の多くのwebsiteで紹介されている模様(Altmetric) |

線虫に電気刺激を与えると、原始的な「恐怖」を感じて刺激が止んでも走り続ける。これには我々のホルモンに相当する神経ペプチドが関与することが明らかになった。