名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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Achievement
研究業績

秦准教授の論文が国際学術誌 The Astrophysical Journal に掲載されました

研究分野 物質科学(宇宙物理学)
掲載誌 The Astrophysical Journal
論文題目 Constraining the Mass of a Hypothetical Secondary Black Hole in M87 with the NANOGrav 15 yr Data Set
著者 Kino, M., Nagashima, M., Ro, H., Cui, Y., Hada, K., Park, J.
所属機関 工学院大学、文教大学、名古屋市立大学、韓国天文硏究院 他
概要 楕円銀河M87の中心から噴き出すジェットには、約11年周期の歳差運動などの周期的な動きがあることVLBI観測から知られています。本研究では、これらの動きがM87中心の巨大ブラックホールのまわりを第2のブラックホールが公転していることに起因すると仮説を立て、その場合に想定される第2ブラックホールの質量を理論的に導き出しました。近年、NANOGrav(ナノグラブ)コラボレーションによる重力波観測により、巨大ブラックホール連星が放つ重力波が宇宙全体に広がる「背景重力波」として検出されている可能性が指摘されており、本研究チームはその理解を深めるためにM87に注目しています。今回の成果は、巨大ブラックホール連星の存在を直接検証するための今後の観測戦略にとって重要な指針となるものです。
掲載日 2025.6.5
DOI 10.3847/1538-4357/adceb6
備考  

 

第2ブラックホールが存在すると仮定した場合の公転運動の概念図.VLBIで観測されているM87ジェットの根本にあるブラックホールが第1ブラックホールに対応します。第1ブラックホールが共通重心の周りを公転運動することによって、M87ジェットが周期的に揺れると仮説を立てました. クレジット:Kino et al. (2025), ApJ

M87における仮想的第2ブラックホール質量の許容範囲.青色の線分が、許容される第2ブラックホールの質量と第1ブラックホールの質量比を表します.灰色で塗られた領域は、巨大ブラックホール連星としての条件を満たさず、除外された領域を示します. クレジット:Kino et al. (2025), ApJ