安田秀雄・名誉教授が令和4年春の叙勲で瑞宝章を受章
安田先生は、永年にわたって理論化学および物性理論の教育、研究に努め、特に、分子結晶中での分子間相互作用に対し、2中心展開公式を用いる新計算法を提唱されました。それまで分子結晶中の分子間ポテンシャルを定量的に決定する方法はありませんでしたが、先生が提唱した計算法で求めた分子間相互作用は安田ポテンシャルともいわれ、現在は分子集合体中の分子運動を理論的に解明する上で不可欠なものとなっています。さらに先生は、2種類の物質の層が多数規則的に積み重なって出来る(種々の応用上の用途が期待される)人工格子の表面波が、表面層の半分を残し内部は平均で置き換えれば求めることが出来るという新規のモデルを見いだされており、今後の応用が期待されています。
教育面では、教養教育における「物理化学」や「基礎化学」を担当され、理論的な考え方を中心とした特色ある化学教育に大変ご尽力されました。また、医学部・看護学部・薬学部の基礎教育では「自然科学実験」を担当され、実験を通じた学生教育にもご尽力され、大きな教育効果を上げられました。
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安田秀雄・名誉教授