名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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イベント情報

第146回「ヒト固有遺伝子NOTCH2NLBはNotchシグナルを促進することで 大脳皮質前駆細胞を長期間維持する」

講師 鈴木 郁夫 氏(VIB-KU Leuven, Center for brain and disease research University of Brussels (ULB), IRIBHM)
日時 2018年5月30日(水),11:00〜12:00
場所 4号館3階 大講義室
概要  ヒトは進化過程において大脳皮質の容積を大幅に拡大し、内部の神経回路を複雑化したことによって、多くの高次認知機能を獲得したと考えられている。しかし、背景にある遺伝的メカニズムはほとんどわかっていない。ヒト進化過程での遺伝子重複によって出現した新しい遺伝子が、ヒト大脳皮質発生に関与している可能性を検証するためにトランスクリプトーム解析を行った。この解析で発見されたヒト系統重複遺伝子の1つであるNOTCH2NLBは、ヒト以外の動物種には存在せず、脳容積の異常を呈する先天性疾患と関連するゲノム領域にコードされている。実験解析によって、NOTCH2NLBはヒト皮質前駆細胞において細胞自律的にNotchシグナルを活性化することによって、前駆細胞が神経細胞へと分化するのを抑制し、前駆細胞を維持する効果を持っていることが明らかになった。これらの結果から、ヒトは他の類人猿と分岐した後にNOTCH2NLB遺伝子を獲得したことによって、より長期間に渡って神経新生が続くようになり、その結果としてより多くの神経細胞を含む大きな大脳皮質を獲得したと考えられる。
連絡先 鈴木善幸(内線5821)
詳細 pdf

※第49回生物多様性研究センターセミナーを兼ねる