名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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イベント情報

第161回「線形圏の間の導来同値を貼り合わせる」

講師 浅芝 秀人(大阪市立大学 数学研究所)
日時 2021年9月17日(金),15:00〜16:00
場所 オンライン開催(Zoom)
概要  以下,1つの体を固定し,ベクトル空間や線形写像はその体上で考えます。 おおざっぱに言って,環のうちベクトル空間にもなっているものを多元環とよびますが,同じように,圏Cのうち,各対象x,yでの射集合C(x,y)がベクトル空間になっているものを線形圏とよびます。私の多元環の研究では,その拡張である線形圏も必要になります。なお,多元環や線形圏は,頂点とそれらの間を結ぶ矢印からなる図であるクイバーとその上の関係式を用いて大量に作ることができます。
 さて,線形圏 C が与えられると,環のときと同様にして,C の(右)加群全体からなる(アーベル)圏 Mod C が定義されます。また,このなかに C を自然に埋め込むことができます。さらに Mod C の導来圏とよばれる(三角)圏 D(ModC) が構成されますが,このなかにModC を自然に埋め込むこともで きます。これらの埋め込みにより,上昇列 C ⊂ Mod C ⊂ D(Mod C) を考えることができます。2つの線形圏 C と Cʼ に対して後ろの方の D(ModC) と D(Mod Cʼ) が(三角)圏として同値であるとき,C と Cʼ は導来同値であるといいます。このことが証明されると,C と Cʼ は,導来圏に関する不変量(例えばホッホシルト・コホモロジーなど)を共有します。線形圏からなるある集合 S を導来同値のもとで分類しておくと,S の代表について,求める不変量を計算すれば,S に属しているすべての線形圏についてその不変量が求まることになります。導来同値のもとで線形圏を分類することは私の研究目標の1つになっています。そのために,導来同値な線形圏の組 (C,Cʼ) をたくさん作る道具が必要になります。ここでは,導来同値な組 (C_{i},Cʼ_{i})_{i∈I} が与えられたとき,C_{i} および Cʼ_{i}をそれぞれ貼り合わせて大きな線形圏 C および Cʼ を作る方法と,C_{i} と Cʼ_{i}の間の導来同値を貼り合わせて,C と Cʼ の間の導来同値を構成する方法について解説します。
連絡先 河田 成人(内線5032)
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備考 Zoom 接続情報については,上記連絡先にお問い合わせください。