第172回「交尾と生殖と臓器連環:ショウジョウバエの生殖幹細胞と精液の研究から見えること」
講師 | 丹羽 隆介(筑波大学 生存ダイナミクス研究センター) |
日時 | 2024年4月19日(金),12:15〜13:15 |
場所 | 滝子キャンパス2号館208室 |
概要 | 交尾は、体内受精をする動物の生殖に際して、異個体間で配偶子をやり取りするために必須の行動過程である。従来の研究から、交尾した個体においては、動物種および雌雄を問わず、多様な生理学的な変化を示すことが知られている。その一方で、交尾を介した生殖の成功のためには、オスにおける精子を含む精液を作り出す過程、あるいはメスにおける卵子を作り出す過程が適切に制御される必要がある。 我々の研究室では過去10年、ショウジョウバエを用いて、精液や卵子の産生が交尾に連動していかに調節されるかに関心を持って研究を進めてきた。そして我々は、交尾はこれらの産生を、個体の有する臓器と臓器の間の神経内分泌システムによるコミュニケーション、すなわち臓器連環を介して適応的に制御することを解明してきた。本講演では、交尾に依存した生殖幹細胞の増殖と精液の再生産の過程に関する最新の成果を紹介するとともに、交尾と生殖を結びつける臓器連環システムの進化について見えてきたことも議論したい。 |
世話人から | 丹羽先生は、ショウジョウバエをモデル生物(生命現象を研究するための代 表的な生物種)として利用して、動物の誕生・成⻑・維持がどのようにホル モンや神経系や臓器間のコミュニケーションによって制御されるかを調べて こられた、国内を代表する研究者(X/Twitter:@TsukubaNiwaLab)です。 皆さまの積極的なご参加をお待ちしています。 |
連絡先 | 木村 幸太郎 |
詳細 | |
備考 | 本セミナーはZOOM配信もします。 |