第174回「ゼブラフィッシュを用いた脳機能研究とヒト疾患研究」
講師 | 川上 浩⼀(国⽴遺伝学研究所 発⽣遺伝学研究室) |
日時 | 2025年1月23日(木),17:00〜18:00 |
場所 | 名古屋市立大学滝子キャンパス 4号館大講義室 |
概要 |
要旨:我々は、脊椎動物細胞で機能するトランスポゾン転移システムの開発に成功し、それを⽤いてモデル脊椎動物ゼブラフィッシュにおいて効率のよいトランスジェニックフィッシュ作製法の開発に成功してきた。さらに遺伝⼦トラップ法、Gal4-UAS法など遺伝的⽅法論を開発し、特定の脳神経細胞の活動を可視化したり操作することを可能にしてきた。本講演では、それら⽅法論や神経活動のカルシウムイメージング法を⽤いて仔⿂や成⿂の⾏動を制御する機能的神経回路を明らかにした研究、および知的障害等の症状を有するヒト希少疾患の原因遺伝⼦を、ゼブラフィッシュを⽤いて解析した研究を紹介する。 プロフィール:1987年、東京⼤学⼤学院理学系研究科博⼠課程修了(理学博⼠)、同年東京⼤学医科学研究所助⼿。1994~1997年、マサチューセッツ⼯科⼤学留学を機会にゼブラフィッシュ研究を開始。2002年国⽴遺伝学研究所助教授、2008年同教授。2021年、 欧州ゼブラフィッシュ学会から国際的なゼブラフィッシュ研究の発展に貢献した功績で Christiane Nüsslein-Volhard Award(クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト賞)を受賞。2023年、「脊椎動物における遺伝⼦組換え技術に関する研究」の業績で科学技術分野の⽂部科学⼤⾂表彰(研究部⾨)。 世話⼈から:川上先⽣は、⼩型脊椎動物のモデルとして広く使われつつあったゼブラフィッシュにおいて、効率的な遺伝⼦導⼊・操作の⽅法を確⽴され、この⽅法は世界中で使われるようになりました。また、それらの⽅法を駆使することで、脳・神経機能の研究を進めてこられました。今年度で⻑年勤務された国⽴遺伝学研究所を御退職とのことで、 セミナーをお願い致しました。 |
連絡先 | ⽊村幸太郎 |
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備考 |