第175回「動物と藻類のハイブリッド細胞:アルガニマル細胞創製への挑戦」
講師 | 松永 幸大(東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授) |
日時 | 2025年5月9日(金),17:00〜18:00 |
場所 | 名古屋市立大学滝子キャンパス 1号館2階202教室 |
概要 |
要旨:真核細胞が光合成細菌や藻類を消化せずに受け入れ、共生することによって植物細胞が誕生した。そのメカニズムを知るために、葉緑体あるいは藻類を動物細胞と融合したり、動物細胞に導入する研究を実施している。取り込まれた葉緑体や、動物と藻類の両方のゲノムを持つハイブリッド細胞がどのような挙動を示すのか、紹介したい。私達は、細胞融合を介して藻類の全ゲノムを哺乳類細胞に丸ごと移植することに成功した。構築された動植物ハイブリッドゲノムにおけるDNA配列や立体構造の特徴、遺伝子発現制御、DNAメチル化をはじめとしたエピジェネティック修飾を網羅的に解析することで、遺伝子の水平伝播の初期プロセスの理解を目指している。また、光合成の反応の場となる葉緑体を動物細胞内に導入したときの形態や生理活性を調べることで、動物細胞内環境における光合成起動の可能性を検討した。 世話⼈から一言:松永先生は、植物の染色体構造と植物細胞の機能をイメージング(先端的な顕微鏡による計測)などによって研究されてきましたが、最近は植物細胞と動物細胞を人工的に融合して「プラニマル細胞」を作り出すというクレージーな研究を行っていらっしゃいます。 |
連絡先 | ⽊村幸太郎 |
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備考 |