青栁准教授の論文が国際学術誌Nature Communicationsに掲載されました
研究分野 | 物質科学(ナノカーボン科学) |
掲載誌 | Nature Communications |
論文題目 | Crystalline functionalized endohedral C60 metallofullerides |
著者 | Ayano Nakagawa, Makiko Nishino, Hiroyuki Niwa, Katsuma Ishino, Zhiyong Wang, Haruka Omachi, Ko Furukawa, Takahisa Yamaguchi, Tatsuhisa Kato, Shunji Bandow, Jeremy Rio, Chris Ewels, Shinobu Aoyagi, Hisanori Shinohara |
所属機関 | 名古屋大学,新潟大学,京都大学,名城大学,ナント大学,名古屋市立大学 |
概要 | 球状の炭素分子フラーレンには、様々な炭素数および構造の炭素骨格を持つ分子が存在し、また空洞の分子内部には金属原子などの化学種を内包できる。1985年のフラーレン発見以後、様々な金属内包フラーレンが合成・単離されてきた。しかし、炭素数60のC60を炭素骨格に持ち電気的に中性な金属内包フラーレンは、炭素骨格が不安定化するために、単離することが不可能であるということがこれまでの常識であった。本研究では、炭素骨格にCF3基を付加することで、希土類金属内包C60フラーレンGd@C60、La@C60を安定化し、Gd@C60(CF3)5、Gd@C60(CF3)3、La@C60(CF3)5の形で初めて単離することに成功した。更に、結晶化してX線構造解析により分子構造を決定するとともに、理論計算によりその生成過程や電子構造を求めることで、構造安定化の機構を明らかにした。また、磁気測定によりGd@C60(CF3)3が低温で弱い反強磁性的性質を持つことをも見出した。 |
掲載日 | 2018年8月6日 |
DOI | 10.1038/s41467-018-05496-8 |
備考 | Open access |

Gd@C60(CF3)5の結晶構造。単離されたGd@C60(CF3)5分子だけで構成されており、非対称なGd@C60(CF3)5分子が1列に積み重なった特徴的な分子配列を有する。