中務准教授の論文が国際学術誌 Current Genetics に掲載されました
研究分野 | 生命科学(遺伝学) |
掲載誌 | Current Genetics |
論文題目 | A positive genetic selection for transmembrane domain mutations in HRD1 underscores the importance of Hrd1 complex integrity during ERAD |
著者 | Kunio Nakatsukasa*, Sylvia Wigge, Yuki Takano, Tomoyuki Kawarasaki, Takumi Kamura and Jeffrey L. Brodsky* |
所属機関 | 名古屋市立大学,名古屋大学,ピッツバーグ大学 |
概要 | 細胞内におけるタンパク質の立体構造形成の歩留まりは必ずしも高くなく,ある頻度で構造形成に失敗した異常タンパク質が必ず生じる。その割合は細胞の老化,ストレス,遺伝的変異などによって上昇する。細胞は恒常性を維持するためにタンパク質の品質管理機構を備えており,生じた異常タンパク質は特異的に分解・除去される。真核生物の細胞小器官のうち,小胞体には全タンパク質の約3割という大量のタンパク質が流れ込むので,特に堅牢な品質管理機構が備わっている。小胞体における異常タンパク質の分解系はERAD(endoplasmic reticulum-associated degradation)と呼ばれており,そのなかで最も中心的な役割を担っているのがHrd1ユビキチンリガーゼである。本研究では, Hrd1について「少し手の込んだ」遺伝学的スクリーニングを行い,機能欠損変異体の単離に成功した。Hrd1はリウマチの原因遺伝子の一つとしても知られている。本研究で確立したスクリーニング手法は,Hrd1の機能を調節する薬剤の探索にも応用できると期待される。 |
掲載日 | 2022.1.18 |
DOI | 10.1007/s00294-022-01227-1 |
備考 |

本研究で得られたHrd1の変異の位置