名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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Achievement
研究業績

中務准教授の論文が国際学術誌 iScience に掲載されました

研究分野 生命科学(分子細胞生物学)
掲載誌 iScience
論文題目 Dot6/Tod6 degradation fine-tunes the repression of ribosome biogenesis under nutrient-limited conditions
著者 Kino Kusama, Yuta Suzuki, Ena Kurita, Tomoyuki Kawarasaki, Keisuke Obara, Fumihiko Okumura, Takumi Kamura*, Kunio Nakatsukasa*
所属機関 名古屋市立大学,名古屋大学,福岡女子大学
概要 細胞は飢餓状態に陥ると,エネルギーの消費を抑えるために,コストのかかる反応をできるだけ停止させる。たとえば,リボソームは「タンパク質の合成」という細胞内で最も大掛かりな(=多量のエネルギーを要する)反応を担う複合体である。また,リボソームという巨大な複合体そのものを合成するときにも多量のエネルギーを必要とする。したがって,飢餓状態において,リボソームは真っ先に抑制あるいは解体されるべき複合体の一つといえる。実際,飢餓状態では,リボソームRNAの分解,リボソームタンパク質の会合抑制,リボソーム特異的なオートファジー,リボソーム生合成関連因子(ribosome biogenesis factors: ribi)の発現抑制などを介して,リボソームの活性と合成を抑制する方向に反応が一斉に進む。しかし,リボソームをひたすらに抑制または分解することが飢餓を生き抜くうえで最善の方法なのだろうか。本研究では,ribiの発現抑制を「緩和」することで,リボソーム生合成の抑制を微調整(ファインチューニング)する機構が存在することを初めて示した。この微調整の機構が壊れると,飢餓状態における細胞の生存率が低下したことから,飢餓状態においてもリボソーム量の維持が必須であることが分かった。今後は,この微調整機構がリボソームの量だけでなく,質の制御にどのように関わっているか検討する必要があると考えられる。
掲載日 2022.2.26
DOI https://doi.org/10.1016/j.isci.2022.103986
備考  

 

飢餓状態においてリボソーム生合成の抑制は微調整される