名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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Achievement
研究業績

今井友也さん(雨夜研・修士2年)の論文が国際学術誌 Chemistry -A European Journal に掲載されました

研究分野 物質科学(有機合成化学)
掲載誌 Chemistry -A European Journal
論文題目 Intramolecular Electron Transfer in Multi-Redox Systems Based on Cyclic [3]Spirobifluorenylene Compound
著者 Tomoya Imai, Daisuke Sakamaki, Shinobu Aoyagi, and Toru Amaya*
所属機関 名古屋市立大学、大阪公立大学
概要 分子内での電子や正孔などの電荷キャリアの移動は、分子エレクトロニクスを含む有機エレクトロニクスにおける重要な基本プロセスの 1 つである。ビフェニルユニットがスピロ炭素を介し直交して繋がったスピロビフルオレンは、小さな空間電子共役を持つ化合物である。我々は最近、スピロビフルオレンが環状に連結したユニークな形状の大環状化合物の合成に成功した(Amaya et al. Chem. Sci. 2020, 11, 9604.)。また、その大環状化合物において、特徴的なスピロ共役による最高被占軌道(HOMO)の分裂を明らかにしている。一般に、このような直交系化合物は、電子移動において不利になると考えられている。しかし、我々はスピロ共役による空間的な電子共役と、1電子酸化体とした際に小さなHOMO-SOMOバンドギャップになると予想されるため、直感に反し効率的に電子移動するのではないか、と考えた。本研究では、実際に1電子酸化体を合成し、その吸収スペクトルおよびESR測定の実験結果と量子化学計算から、室温にて非常に速く環内の電子移動が進行していることを明らかにした(図)。本研究で得られた知見は、新規な電荷輸送材料の開発に繋がり得る。
掲載日 2023.9.22
DOI https://doi.org/10.1002/chem.202302670
備考