名古屋市立大学大学院 理学研究科 総合生命理学部

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Achievement
研究業績

水野朱理さん(雨夜研・博士前期課程1年)の論文が国際学術誌 Chemistry Letters に掲載されました

研究分野 物質科学(有機合成化学)
掲載誌 Chemistry Letters
論文題目 Refinement of Naphthalene Exposure Assessment in Human Biomonitoring Based on the Synthesis of Naphthyl Sulfate Isomers and HPLC-MS Analysis
著者 Fuki Iwasaki#, Akari Mizuno#, Shinobu Aoyagi, Sayaka Kato, Yuki Ito*, Michihiro Kamijima*, and Toru Amaya*
# Co-first author
所属機関 名古屋市立大学 大学院医学研究科、名古屋市立大学 大学院理学研究科
概要 ナフタレンは環境中に広く存在しており、発がん性の可能性があることから、その曝露評価は重要である。ナフタレンの代謝マーカーであるナフチル硫酸エステルは、その検出は容易なものの、1位および2位が硫酸化された異性体の混合物として存在している。ヒトのバイオモニタリングにおいて、正確な曝露評価を行うには、これら異性体の比率を明らかにすることが不可欠であるが、これまでにそのような研究は報告されていなかった。本研究では、これらの異性体を有機合成によって合成することに成功し、その構造をX線結晶構造解析によって明らかにした。合成した化合物を用いることで、HPLC-MSによるヒト尿試料中の異性体比の分析が可能となった。その結果、37件のヒト尿試料におけるナフチル硫酸エステルの異性体比の定量に成功した。本研究の成果は、ナフタレンの環境リスク評価におけるヒトバイオモニタリングの精度向上に貢献するものである。特に、本手法により、従来は困難であった硫酸抱合体異性体の比率の評価が可能となった。さらに、本研究で確立されたアプローチは、ナフタレンに限らず、他の多環芳香族炭化水素や環境汚染物質のヒトバイオモニタリングにも応用可能であると期待される。
掲載日 2025.5.22
DOI doi.org/10.1093/chemle/upaf106
備考  

 

ナフタレン暴露評価のための精密なヒトバイオモニタリングを目指した研究。代謝物の構造式は、本研究で合成・分析したナフチル硫酸エステルの2つの異性体。