青栁教授の論文が国際学術誌Journal of the American Chemical Societyに掲載されました
研究分野 | 物質科学(ナノ構造科学) |
掲載誌 | Journal of the American Chemical Society |
論文題目 | Preparation, Spectroscopic Characterization and Theoretical Study of a Three-Dimensional Conjugated 70 π-Electron Thiophene 6-mer Radical Cation π-Dimer |
著者 | Toshihiro Fujiwara, Atsuya Muranaka, Tohru Nishinaga, Shinobu Aoyagi, Nagao Kobayashi, Masanobu Uchiyama, Hiroyuki Otani, and Masahiko Iyoda |
所属機関 | 首都大学東京, 理化学研究所, 東京大学, 横浜国立大学, 名古屋市立大学, 信州大学 |
概要 | チオフェンを含む環状分子は高機能有機電子材料として期待される。本研究では、6個のチオフェンからなる環状分子を合成し、そのラジカルカチオンの特性を各種測定により詳しく調べた。光吸収、電子スピン共鳴、磁気円偏光二色性などにより、溶液中でダイマーを形成することを明らかにした。溶液から作った結晶の放射光X線構造解析により、結晶中で二重ドーナツ型の巨大超分子を形成することを明らかにした。更に、核磁気共鳴と理論計算により、70個もの共役π電子による環電流特性を示すことを明らかにした。 |
掲載日 | 2020年2月27日 |
DOI | 10.1021/jacs.9b13573 |
備考 | プレスリリースはこちら |

6個のチオフェンからなる環状分子が2個重なった二重ドーナツ型超分子の構造(黄色の硫黄原子と茶色の炭素原子のみを示している)。外部磁界に応答して70個もの共役π電子による環電流が分子リングに沿って流れる。